1、軟膏使用前の必須ローション「ビオ・オーガニックウォーター」

この肌水の主成分は、沖縄産の月桃を水抽出したエキスが100%で、化学物質はいっさい含まれていません。
水に非常にこだわり、逆浸透膜を通しただけの単なる純水ではなく、それにマグネシウム、ブラックシリカなどをつけこんだ水が基本となっています。 詳しくは、「石の力」をお読みください。成分は下記です。

水、BG、グリセリン、1,3-プロパンジオール(植物由来)、月桃葉エキス、尿素。エタノール・フリーであり、防腐剤もいっさい使われておりません。ですから、開封後はできるだけ早くお使いください。

また、尿素が配合されていますので、ときたま、しみるという人がおられます。その時は、防腐剤などが入っていませんから、使う分だけ、そのつど、水道水でけっこうですから、適当に薄めて使用してください。

当方の軟膏を塗る前に、ビオ・オーガニック・ウォーターをつけ、軽く肌を湿らせ、その上に軟膏を塗ると、いっそう効果が増し、ステロイド軟膏の使用量が減ってきたと患者さんに喜ばれています。小さなスプレータイプの容器に移し替え、いつも持ち運び、痒みを感じたら、随時スプレーするようにされても良いでしょう。

どうしてもステロイドが入っている軟膏を使うのが嫌だという患者さんは、その分、サプリメントをしっかり摂り、食事指導をまもり、 このビオ・オーガニック・ウォーターを十分に塗り、MA(0)、KO(0)、WAS(0)、MAS(0)、再発予防軟膏などのステロイドの入っていない軟膏でコントロールされている人もおられます。

2、顔の赤み改善のための「リカバリー・ビオ・ウォーター」

アトピー患者さんの一つの悩みは、「赤ら顔」です。ビタミンB2、B6、システインなどのサプリメントを摂っても、けっこう難しいケースがよくあります。
そこで、「石の力」を使った非常にまろやかな基本水に「ビルべリーエキス」、「サクラの葉エキス」、「月桃の葉エキス」を加えたものをつくり、「リカバリー・ビオ・ウォーター」と名付けました。
特に炎症性の赤みには効果があります。顔の皮膚は薄いので、ステロイドはできるだけ使いたくないという思いから、患者さんは長期にわたってステロイド軟膏を使わないで我慢なさっていることが多いものです。そういう人はぜひ試してください。
また、「リカバリー・ビオ・ウォーター」は、下記のような症状の方にも適したローションです。

  • ステロイド軟膏を十分に使って、ほとんど炎症が治まった状態だが、最後の仕上げのローションが欲しいという方
  • 抗ブルーライト作用がありますから、PCやスマホの画面を長時間にわたり見つめる方の肌荒れ防止
  • 「痒みと掻破の悪循環」に陥っている方
  • 精神的ストレスによる皮膚症状の悪化
  • アトピーが治癒してしまってからの、日ごろのケア

上記の症状に関係するビルべリー葉エキスとサクラの葉エキスの詳しい説明は別途ページをお読みください。

3、治癒後の再発防止と乾燥を防ぐのための「リカバリー・ビオ・ウォーター プラス」

「リカバリー・ビオ・ウォーター・プラス」は、「リカバリー・ビオ・ウォーター」に「ヒアルロン酸」と「セラミド」を加えたローションです。
下記の人々に使っていただくと良いでしょう。

  • 肌の乾燥が非常に強く、リカバリー・ビオ・ウォーターだけでは保湿が十分でない人。
  • アトピーはほとんど良くなったが、乾燥肌から痒くなり、そこからアトピーが再発しそうな人。
  • ステロイド軟膏は必要でなくなったが、乾燥肌防止のためにプロペト(一般名:白色ワセリン)などを塗っているが、べとつき感があるので、何とかならないかと考えている人。
  • 温度差に敏感で、そのために蕁麻疹ができやすい人。
  • 老化現象の一つである皮膚のひどい乾燥に悩まされている人。

アトピー患者さんの約1/3にはフィラグリン遺伝子に変異があり、皮膚のバリア機能に大切なタンパク質の一種フィラグリンが、表皮の顆粒細胞での生産が不十分なことがあると報告されています。こういう人は、特にひどい乾燥肌に悩まされることが多いものです。その場合、リカバリー・ビオ・ウォーターだけは力不足のところがあります。そこで、リカバリー・ビオ・ウォーターにヒアルロン酸とセラミドを追加し、保湿能力をさらに高めたローションをつくりました。それが、リカバリー・ビオ・ウォーター・プラスです。

ヒアルロン酸はN-アセチルグルコサミンとグルクロン酸という二つの糖が交互に結合したゼリー状の物質で、皮膚、目、関節などに広範囲に存在します。こと皮膚に関しては、水分の保持に必要です。また、メラニン色素を取り除き、皮膚の深くまで栄養分を行き渡らせる作用もあります。真皮にヒアルロン酸は多く含まれており、コラーゲンやエラスチンといったタンパク質とともに、肌のみずみずしさと弾力性をたもちます。

加齢によってもヒアルロン酸は減少していき、特に40歳前後から急に減ってきます。肌の衰えを感じるのも、この年齢のあたりからが多いのは、ヒアルロン酸の減少にもよります。60歳では、20歳のころの 半分に減ってしまいます。

ヒアルロン酸は鶏のトサカ、魚の目玉、サメの軟骨といったものに多く含まれるため、野菜やくだものから簡単に補えるといった物質ではありません。したがって、けっこう不足がちになります。ヒアルロン酸そのものは高分子ですが、最近は吸収されやすいように低分子化されたサプリメントが市販されていますので、経口的にサプリメントからも補うことがすすめられます。

皮膚の保湿にもう一つ大切な物質はセラミドです。皮膚の一番上にあるのが角層で、ここには、ケラチン線維を充満させた細胞があります。この細胞にあるセラミドという脂質の一種は水分保有能力が非常に高いのです。しかし、アトピー患者さんの皮膚は、セラミドの量が少なく、その代わりにスフィンゴシルフォスフォリルコリンやグルコシルスフィンゴシンという水分保有能力の低い脂質でいっぱいになっているのです。

また加齢とともに、セラミドを分解する酵素であるセラミダーゼの活性が高まり、セラミドはスフィンゴシンと脂肪酸に加水分解され、セラミドの減少がおこり、皮膚が非常に乾燥しやすくなります。

セラミドはセリンやパルミトイルCoAを材料としてできますが、その過程で、ビタミンB6とマンガンが必要とされます。したがって、肌にはリカバリー・ビオ・ウォーター・プラスを塗り、ビタミンB6(50mg)とマンガン(3mg)のサプリメントを経口的に摂るのが理想的です。(マンガンは、コップ1杯のパイナップル・ジュースに3mgほど含まれています)。

4、色素沈着改善のための「ピーアイローション」

アトピーの湿疹や結節性痒疹は治り、痒みもすっかり消えた。しかし、そこに、色素沈着が残り、黒ずんでいる。これは何とかならないものかという悩みの相談が非常に多いのです。これを解決しようと試行錯誤して完成したローションが、『ピーアイローション』です。

この名前は、色素沈着の英語Pigmentationの頭文字Pと、改善Improvement のIを足して、P(ピー) -I(アイ)と簡略にしたものです。つまり、色素沈着改善のためのローションという意味です。

アトピーや結節性痒疹だけでなく、加齢とともに、シミ、クスミ、肝斑は増えていくものです。これらの色素沈着の根本原因はメラニンです。メラニンは、黒褐色の真性メラニン(Eumelanin、ユーメラニン)と、橙赤色の亜メラニン(Pheomelanin、フェオメラニン)の2種類がありますが、どちらも色素沈着をひきおこします。チロシンというアミノ酸から、チロシナーゼという酵素の作用で代謝されてメラニンとなります。

メラニン

メラニンはヒトが地球で生活するかぎり、必須の物質です。もし紫外線が、毛や皮膚に存在するメラニンで吸収されずに、そのまま細胞核に達すると、DNAが破壊され生存できなくなります。つまり非常に大切な物質なのです。しかし、不必要にできてしまうと、悩みの種になってしまいます。

色素沈着の根本原因はメラニンにあるわけですから、それが生成されないようにするには、チロシンやドーパからドーパキノンを代謝するチロシナーゼの働きを阻害することが重要です。また、肥満細胞からヒスタミンが遊離されてこないようにすることも大切です。ヒスタミンはメラノサイトを刺激し、メラニンを過剰に産生するからです。

そのために、医薬部外品にしか配合できない色素沈着改善の明確な臨床データを持つアルピニア・カツマダイ種子エキスを中心に、プロテオグリカン、プラセンタ、ラクトフェリン、ヒアルロン酸、ビルベリー葉エキス、サクラ葉エキス、月桃葉エキスなど色素沈着改善を目的とした8つの有効成分を、鉱石水に溶かしたローションをつくりました。鉱石水とは、逆浸透膜を通した純水に数種類の石を漬け込んだ水です。詳しくは「石の力」をお読みください。

アルピニア・カツマダイ

中国の広東、広西南部、台湾に分布する多年草で、種子はソウズク(草豆蔲)と呼ばれ主に薬用に使われます。
医薬部外品配合専用原料で、一般化粧品には使用できないメラニン生成のブレーキを強化する成分です。
ピーアイローションのメイン成分で、色素沈着改善のデータに基づき、配合量を調整しました。

チロシナーゼという酵素の作用で代謝されてメラニンになることは説明しましたが、そのチロシナーゼの発現にブレーキをかければ、メラニンは生成されなくなります。このブレーキ役を果たすのが、リン脂質分解酵素の一種であるホスホリパーゼD1 (PLD1)です。アルピニア・カツマダイ種子エキスは、このPLD1を活性化する効果があるのです。

アルピニア・カツマダイ

プロテオグリカン

プロテオグリカンはコアタンパク質にコンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸などの糖鎖が共有結合した糖タンパク質です。さまざまな種類がありますが、ピーアイローションに使われているプロテオグリカンはサケの鼻の軟骨由来で、主に次の4つの作用があり多くの化粧品にも配合されています。
  • EGF様作用(上皮細胞増殖因子様の作用)
  • メラニン生成抑制作用
  • ヒアルロン酸産生促進作用
  • Ⅰ型コラーゲン産生作用
上記の作用が総合され、強力な色素沈着改善効果を発揮します。詳しくは、「プロテオグリカン」のぺージを参考にしてください。

プラセンタ

最近、とみに美容の分野で使われるようになりました。なぜなら、線維芽細胞増殖促進作用、ヒスタミン遊離抑制、B16メラノーマ細胞でのメラニン生成抑制作用、チラシナーゼ活性抑制作用、角質水分量増加など、美肌にとって大切な作用を網羅しているからです。
しかし、日本では明治時代以前から、生後すぐの赤ちゃんの痣(あざ)にプラセンタを貼って、痣(あざ)をとるということが行われていました。産婆さんは経験的にプラセンタの色素沈着改善作用を知っていたのです。

ピーアイローションに使われているのは、国産のSPF豚(Specific Pathogen Free) で、特定の病原体をもっていない、自然分娩時にSPF母豚の胎外へ産み落とされたプラセンタです。つまり非常に安全なプラセンタです。プラセンタは皮膚細胞の新陳代謝を活発にし、過剰に発生したメラニンの排出を促すため、美白効果があると注目されています。

これを英語で書くと、Lactoferrinとなります。ラテン語由来で、「Lac」は乳、「Ferrum」は鉄です。中国語では、「乳鐵蛋白」あるいは「乳铁蛋白」。つまり、「母乳に含まれる鉄タンパク」ということです。これは、母乳の中にごくわずかに含まれる赤い色をしたタンパク質です。初乳が最も多く含有しています。赤い色は鉄イオンと結合しているためです。

生まれたての無防備な赤ちゃんのための物質ですから、免疫系の調節、抗酸化作用、抗炎症作用、がん発生の抑制作用、そして抗ウイルスおよび抗細菌作用など、非常に多彩な作用を示します。
最近は、ラクトフェリンがCOVID-19の改善に効果があるという論文もでています。

色素沈着改善については、チロシナーゼの活性をラクトフェリンは阻害してくれます。また、すぐれた抗炎症作用もあるため、炎症によって生じるメラニン色素の増加も少なくしてくれます。

サクラ葉エキス

ピーアイローションに使っているのは、ソメイヨシノの葉から得られたエキスで、イソフラボンのプルネチン、その配糖体であるプルネトリン、フラボノイドのイソクエルシトリン、クマリン配糖体の一種などが含まれており、すぐれた抗ヒスタミン作用を発揮します。ヒスタミンはメラノサイトを刺激し、メラニン産生を促します。
美白評価試験によく利用される細胞であるB16メラノーマ細胞(マウス黒色腫細胞株とも呼ばれている、癌化したマウスのメラノサイト)のメラニン生成を、サクラ葉エキスは抑制することが実験で確かめられています。

ビルベリー葉エキス

ビルベリーは目に良いということで、すでにサプリメントとして飲んでおられる方もいらっしゃるかもしれません。青・紫のアントシアニン色素たくさん含んだベリーで北欧産が有名です。ここで使われているのはビルベリーの葉のエキスで、カテキン類やケルセチン-3- O-グルクロニドなどのポリフェノールをふんだんに含有しています。

ストレスによって増えるACTH(副腎皮質刺激ホルモン)によってメラニン生成が促されますが、それを抑制します。また、インターロイキン1αの働きを抑制して、メラニンの生成を少なくします。

それに、ビルベリー葉エキスはGABA(γ-アミノ酪酸:Gamma-Amino Butyric Acid )の生成を促し、この物質は下記のヒアルロン酸の生成を促し、ヒアルロン酸がもたらしてくれる同じ作用によって、メラニンの生成を抑制します。

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸はN-アセチルグルコサミンとグルクロン酸という二つの糖が交互に結合したゼリー状の物質で、皮膚、目、関節などに広範囲に存在します。そこで、さまざまな役目を行っていますが、こと皮膚に関しては、水分の保持です。1グラムのヒアルロン酸は6リットルの水分をかかえこむことができるといわれています。ヒアルロン酸の量は、20歳をピークにどんどんと減少し続けますが、40歳代からはその減少スピードが急激に速まり、60歳代になると20歳代の半分以下にまで減少してしまうといわれています。特に40歳前後から急に肌の衰えを感じることが多いのは、ヒアルロン酸の減少にもよります。60歳では、20歳のころの 半分に減ってしまいます。

紫外線はプロスタグランジンE2とインターロイキン1αの生成を促しますが、これら二つの物質はメラノサイトを刺激し、メラニン産生を促します。

ヒアルロン酸はプロスタグランジンE2とインターロイキン1αの働きを抑制して、メラニンの生成を少なくする美白効果があるのです。
皮膚の保湿性が低下すると、「ちりめんシワ」という細かなシワができやすくなります。ヒアルロン酸はこの予防にもなります。

月桃葉エキス

月桃は樹高2mほどの常緑性多年草で、日本ではほとんどが沖縄に自生しています。月桃にはケルセチン(フラボノール)、ケンフェロール(フラボノール)、フェルラ酸(ヒドロキシ桂皮酸)などが非常に多く含まれています。これらのポリフェノールは、肌にかかわる次の4つの酵素、チロシナーゼ、コラゲナーゼ、エラスターゼ、ヒアルロニダーゼの活性を阻害し、皮膚のはり、つや、美白を助けてくれます。したがって、私のクリニックでつくっているすべての軟膏に、この月桃エキスが配合されています。詳しくは「幸せの4つのハーブ」を参考にしてください。

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