2000年前に中央アジア、あるいはフィンランドで発祥したといわれていますが、それ以来、世界中で解毒と健康のために使われてきました。 17世紀には鉱山労働者の水銀解毒、最近では「Narconon」というアメリカの薬物常用者矯正のための非営利団体が採用しているプログラムにも、 解毒のためにサウナが採用されています。
数千年の歴史をもつインドのアーユルヴェーダ医学でも、砂や石を加熱して遠赤外線を放射させ、それによって体を温め、デトックス(解毒)を行ってきました。 皮膚は、一般成人で1.6平方メートル、重さ3キロ、皮下組織を入れると9キロあまりの巨大な器官です。
皮膚は人体を外界から保護する役目とともに、体内に蓄積された有害物質を汗や皮脂とともに外に排泄するという大切な役割を果たしています。 それは、腎臓の働きにも似ているのです。したがって、サウナを利用しての解毒は非常に効果があるのです。
一般的に汗をだすことは健康にいいのですが、体温調節のためのエクリン汗腺から出される透明な汗では有害物質はほとんど排泄されません。脂腺からでる皮脂でないと効果はないのです。脂腺に脂溶性の有害物質が集まり、皮脂に混じって体外に排泄されるのです。それには、遠赤外線をだすサウナに入るのが最も効率的です。
ジョギングなどの運動によっても汗はでますが、その汗はほとんどエクリン汗腺からのもので、脂腺からのものではないのです。もっとも、家庭にサウナを備えているところが日本には少ないのが難点です。ダニのつかない布団など非常に高額なアトピーグッズに無駄なお金をかけるより、家庭用のサウナを購入したほうがはるかにいいでしょう。
最近はレジャーランドの大衆浴場のほとんどにはサウナが併設されていますから、それを積極的に利用するのも一つの手です。ただアトピーの急性期でジュクジュクとした浸出液がでているほどのときは、刺激が強すぎますから、ひかえてください。
また、過度に頻繁に入るのもかえってよくありません。週に、1~2回が適切でしょう。毎日、毎日、サウナに入っていると、せっかく補ったビタミンやミネラルが汗と共に外に出てしまいます。何事も、過ぎたるはおよばざるがごとしなのです。
ぼくのクリニックは年に二、三度、韓国への解毒ツアーを実施しています。その一つの理由は、韓国に存在する「黄土」という特別な土でできたサウナ「黄土ブルロ」がそこにあるからです。その黄土から発せられる遠赤外線は、体の奥深く最高40ミリまで浸透し、脂腺からのデトックスを実に効率よく行ってくれます。万病に効くといっても、過言ではありません。