“皮膚はコラーゲンで出来ている”といっていいほど多くの部分(真皮の繊維成分の約70%)が、コラーゲンからつくられています。紫外線や活性酸素などのストレスによって ダメージを受けたコラーゲン繊維は、新陳代謝によって どんどん新しいコラーゲンにつくり変えられます。
しかし、詳しいメカニズムは不明な点が多いのですが、アトピー患者さんの皮膚ではどうしてもこのコラーゲンの生成が十分に行なわれていません。コラーゲンが不足すると、肌の保水性が悪くなり、かさかさと乾燥肌になります。そして、特に MMP1遺伝子に変異のある場合、不必要にコラーゲンが分解されてしまいます。アトピー患者さんのうち少なくとも1割にはこの遺伝子に変異があるようです。
コラーゲンのサプリメントを摂っても、吸収されないから、まったく意味がないというような意見をよくききます。それは、コラーゲンの分子が大きいので、腸から吸収されるには、いったんアミノ酸までに分解され、その時点ではコラーゲンでなくなっているということです。しかし、コラーゲンを構成するヒドロオキシプリンというアミノ酸は、普通の食物には含まれていません。
したがって、ヒドロオキシプリンを含んでいるコラーゲンのサプリメントを摂ることは、やはり理にかなっているのです。また、実際に患者さんに摂ってもらうと、乾燥が和らぐ人がかなりいます。特に、秋から冬にかけて、特に皮膚が乾燥しやすい時期には、コラーゲンのサプリメントを足されたらいいでしょう。