昆布の一種かとも思われがちな名前を持つキノコのメシマコブは、長崎の西方の沖合に浮かぶ男女群島の「女島(めしま)」に群生していました。
この島に育つ野性の桑に寄生し、まるで〝木のコブ〝のように育つキノコであるところから、この和名(俗名)が付けられたとされていますが、 養蚕業の衰退とともに桑の木が減少したことなどもあり、現在は同地でも発見するのは難しいと言われています。 漢方では、古典である「本草網目」や「中薬大事典」、「中国薬用真菌」などの医学書や薬事辞典に記載され、「桑黄(そうおう)」と呼ばれて古い昔から薬として重宝されていました。
野生のメシマコブはなかなかみつけることができないので、日本人の研究者が、その菌糸体の人工培養を成功させ、いまでは簡単に入手できるようになりました。
その菌糸体にはβ-グルカンの含有量が、他のキノコ類と比べて、抜群に多く重量比で20%以上も含まれています。 このβ-グルカンは免疫系の賦活・調整作用に優れており、アレルギー系の病気にもたいへん効果があります。 アトピーは皮膚のバリアー障害のみならず、免疫系の不調が深くかかわっていますので、β-グルカンは非常に効果があるのです。
またメシマコブの菌糸体には数多くのポリフェノールが含まれており、アガリクスなどの菌糸体に比べて、総量は20倍も含んでいます。 12種類(ヒメマツタケ、マイタケ、マンネンタケ、ヤマブシタケ、シイタケ、ハタケシメジ、ホンシメジ、カンゾウタケ、ヌメリスギタケモドキ、エリンギ、ナメコ、メシマコブ) のキノコ菌糸体培養成分を用いて調査した結果、メシマコブが最も高い抗酸化活性を示します。