1.  プロテオグリカン:ドクターズ・メガ・プロテオグリカンとしては3錠~6錠/日

プロテオグリカンはコアタンパク質にコンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸などのグリコサミノグリカンと呼ばれる糖鎖が共有結合した糖タンパク質で、1970年に発見されました。

図のように、グリコサミノグリカンは分岐を持たない長い直鎖構造を持ちます。多数の硫酸基とカルボキシル基を持つため負に荷電しており、 グリコサミノグリカンはその電気的反発力のために延びた形状をとります。
プロテオグリカンに含まれる多数のグリコサミノグリカン群はスポンジのように水を柔軟に保持しながら、弾性や衝撃への耐性といった機能を担っています。
細胞外マトリックスの主要構成成分の一つで、皮膚や軟骨など体内にくまなく分布しています。

細胞外マトリックスとは、多細胞生物において、細胞を支えている多彩な組織で、細胞が生きていくためのさまざまな維持機能を有していなければなりません。 つまり、プロテオグリカンは細胞の外にあって、細胞同士のコミュニケーション、細胞の増殖・維持修復、細胞の接着の足場の役割などを行います。 多細胞生物を構成する個々の細胞の多くは、プロテオグリカンが存在しないと、まともな機能が果たせないのです。

プロテオグリカンはその局在やグルコサミノグリカン鎖の種類によって分類されますが、皮膚に良いのは、サケの鼻の軟骨由来のプロテオグリカンです。
そのプロテオグリカンに、 ビオチンとセラミドを足して錠剤として、栄養機能食品にしたのが、ぼくのクリニックで処方している、ドクターズ・メガ・プロテオグリカンです。

i. EGF様作用

EGF(Epidermal Growth Factor)とは「上皮細胞増殖( 成長) 因子」のことで、細胞の成長と増殖の調整に重要な役割を果たします。
EGFは、加齢とともに減少します。20代後半から急激に減少し始め、70代では20代の1/6にまで減少すると報告されています。 こうしたEGFの減少は細胞の再生能を低下させ、ターンオーバーを遅らせて肌の老化の原因となります。

プロテオグリカンの模式図を見て下さい。真ん中緑色の線がコアタンパク質。その一番下にEGF様領域があります。 プロテオグリカンのコアタンパク質にはEGF様領域が存在していますが、サケ鼻軟骨由来プロテオグリカンにEGF様作用のあることが、弘前大学のヒト線維芽細胞を用いた研究により確認されています。

EGF様作用をもつ物質は、今までさまざまなものが研究されてきていますが、おそらくプロテオグリカンが、最も強いEGF様作用を有しているようです。
プロテオグリカンのコアタンパク質部位がEGF様作用を有するのに対し、残りのグリコサミノグリカン部位が保水作用や、EGF様作用だけでは導かれない後述の効果に関与しています。

ii. ヒアルロン酸産生促進作用

ヒアルロン酸は皮膚において多量の水分を含み、細胞やコラーゲン、エラスチン等の皮膚組織の骨組みのすき間を埋めて、表皮のみずみずしさ、真皮のしなやかさに重要な働きをしています。しかし、ヒアルロン酸の分解速度は非常に速く、老化により産生量が減り、急に存在量が減少し、皮膚のみずみずしさやしなやかさの低下へとつながります。プロテオグリカンは、ヒアルロン酸の産生を促すことが確認されています。 ヒト正常真皮線維芽細胞を用いた、プロテオグリカンのヒアルロン酸産生促進作用の試験では、プロテオグリカンの添加量に応じて、ヒアルロン酸量が有意に増加しています。

iii. Ⅰ 型コラーゲン産生作用

コラーゲンは真皮の7割を占める主要な構造体(マトリックス)で、皮膚の健康を維持するために重要な働きをします。 真皮のコラーゲンのほとんどはⅠ型コラーゲンで、老化などによりコラーゲンの合成能力が低下すると、皮膚のハリが低下し、シワやタルミにつながります。 プロテオグリカンはこのⅠ型コラーゲンの産生を、容量依存的に促進します。

iv. メラニン生成抑制作用と美白作用

B16マウスメラノーマ細胞を用いた実験で、多くの美白用化粧品に使われているアルブチンと同様にメラニン生成抑制作用が認められ、ヒトモニターによっても、その美白効果が確認されました。 アルブチンは非常に多くの化粧品に配合されています。

以上、ⅰ)~ⅳ)までの作用によって、強力な保湿作用、速やかなシワ改善作用、皮膚弾力改善作用、それに美白効果が認められるのです。ですから、プロテオグリカンはアトピーや乾癬のサプリメントとして非常に重要なのです。
また、プロテオグリカンは関節の軟骨の健康維持にも効果があるのですが、それについては、変形膝関節症のページに記載しますので、そこをお読みください。
(ここに使っているすべての写真、図、統計データは「一丸ファルコス社」からいただきました)。

 

ここに書かれていることは、ドクター牧瀬が、延べ5万人以上の皮膚科領域の患者さんを、内科医の立場から診察した、つまり、多くの皮膚病は体の内部の問題が皮膚に現れたとみなして治療する根治方法です。
 しかし、ご自分の症状を正確に把握せず、ここに 書かれてあるサプリメントをとったり、勝手な治療法を行い、症状が悪化してもドクター牧瀬 はいっさい責任をとれません。

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