「6月になりました。梅雨が終わると、すぐに夏が来ます。海外旅行を計画されている方も多いでしょう。その計画の中には、アトピー対策も忘れずに、しっかりと入れておいてください。」
 
と、2019年の6月には書いていました。ところが、2020年より、新型コロナのために、海外旅行どころか国内旅行さえ、ままならない事態です。しかし、この状態が永遠に続くわけはないので、2022年か2023年の夏のために、このページを残しておくことにしました。
皆さん、ここしばらくはインターネットによるバーチャル海外旅行で我慢し、英気を残しておきましょう。

 

1)まず、水に注意してください。多くの外国の水は硬水です。日本の水は軟水です(沖縄の水は硬水)。軟水に慣れていた肌が、急に硬水に触れると、アトピーが悪化することがしばしばあります。ですから、硬水を軟水に変える簡単な器具が売られていますから、それを持って行かれることをお勧めします。

2)紫外線対策も十分にしてください。当方のシンビオティック・ウォーターなども、あるていど効果があります。日焼け止めのクリームの種類は非常に多いので、ご自分の肌に合うものを慎重に選んでください。そして、いったんひどく日焼けすると、ヘパリン様のジェルでケアしてください。

3)それと、「疥癬(かいせん)」です。特に不潔なホテルに泊まったあとに、急に症状が悪化したようなときは、すぐに現地の皮膚科に行かれ、疥癬でないかどうか調べてもらってください。高級ホテルでも、かかる可能性は否定できません。また、開発途上国だけでなく、先進工業国でもかかることがあります。ドイツでかかった患者さんがおられました。

4)念のためにMA(2)を一個持って行かれることをお勧めします。症状が悪化すると、ためらわずに、すぐにMA(2)を塗ってください。ためらってぬらないでおくと、旅行で疲れがたまっているときなど急激に悪化し、結果的にはかえって余計にステロイド軟膏を使うことになります。

5)蚊やブヨなどにかまれたあとは、すぐに抗生剤入りの軟膏を、かまれた個所にすいりこんでください。最悪の場合、「結節性痒疹(けっせつせいようしん)」になる場合があります。

6)また、セレスタミンを3日分ほどもっていかれることを お勧めします。三日服用したくらいでは、副作用は気にしなくてけっこうです。
急に症状が悪化して、セレスタミンを服用しても、まったく改善しなければ、それは疥癬かもしれません。

7)韓国は「あかすり」で有名ですが、これはアトピー患者さんには刺激が強すぎます。よほどのことがないかぎり、試してはいけません。「あかすり」で悪くなった患者さんはけっこうおられます。

8)日本でいつも使い慣れている、石けん、シャンプーを持っていってください。ホテルに備えつきの石けんやシャンプーは使わない方が無難です。

ここに書かれていることは、ドクター牧瀬が、延べ5万人以上の皮膚科領域の患者さんを、内科医の立場から診察した、つまり、多くの皮膚病は体の内部の問題が皮膚に現れたとみなして治療する根治方法です。
 しかし、ご自分の症状を正確に把握せず、ここに 書かれてあるサプリメントをとったり、勝手な治療法を行い、症状が悪化してもドクター牧瀬 はいっさい責任をとれません。

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