卒業後、様々な代替療法に興味がわき、ポーランド留学を機に、世界の伝承医学・民間医学、不当に無視された医学、そして一見すると原理が不可解な医学、などなどの、探索の旅にでました。 まずは、医聖ヒポクラテスが生まれたコス島。そこには、ギリシアの医学の神アスクレーピオスの病院址があります。アルジェリアからサハラ砂漠を縦断し、ガーナのアクラにある野口英世記念館。エチオピア(当時は共産主義国家でした)から、スーダン、エジプト(おそらく医学の原点がここに)へ。 シリアのダマスカスから、ヨルダンへヒッチハイク(当時は、イスラム国もなく、パルミラの遺跡も破壊の危機に面していませんでした)。
そして、ヨルダン川を渡り、イスラエル(死海の泥を利用した、乾癬治療)。 アイスランド(レイキャビク郊外の温泉ブルー・ラグーンの泥を使った、これも乾癬治療)。 アークレイリ(北極圏に最も近い高原で採集されるハーブ)。 韓国(プサンの瀉血を行う病院とはいまだに付き合いがあります)。ラスベガスのアメリカ流アンチ・エイジング・センター(成長ホルモンが主体で、ちょっと間違うとけっこう危ない)。
スイスのレマン湖ほとりの若返り治療、シベリアのブリヤート族の医療(意外で、チベット医学の影響を強く受けていました)など、日本ではほとんど知られていないさまざまな医療を、20年以上研究してきました。
また、沖縄の長寿にも興味がわき、そのカギとなる、沖縄の月桃なる不思議な植物の効能にひかれ、琉球大学の近くに研究所を建て、熱帯の植物からサプリメントをつくり始めたのです。
その間、世界はインターネットというツールをぼくたちに与えてくれました。それによって、今、皆さんが見ておられる、「
バーチャル・クリニック」も開くことができ、おかげさまで、
www.drmakise.com へのクリック数が、ときどき、1万件/日をこえるようになりました。
そこで、二つ気づいたことがあります。
- 医療は今や、完全なボーダレスになってしまったこと。
www.drmakise.com の一部は英語に翻訳されています。それを読んで、世界中から相談のメールが来ます。東南アジア、アメリカ、ヨーロッパ、ロシア、中近東、文字どおり、世界中からです。一番、多いのはアメリカからですが、ぼくはアメリカの医師免許をもっていないにもかかわらず、アメリカに住んでいるアメリカ人を、診察しているのです。これを、現地で行えば、アメリカの医師法違反で、即刻、逮捕です。しかし、法的には、インターネットによって、アメリカ人が日本を訪れて、日本で診察を受けていると、解釈されるのかもしれません。つまり、バーチャルな世界であり、そこでは国境はなく、医療は完璧なまでにボーダレスなのです。
- 世界は日本化されていくということ。
特にアメリカは医療費が高いので、簡単に病院に行けない状況があります。可能なかぎり、ビタミン・ミネラル・ハーブなどで対処できないものかという意識が高い。 したがって、サプリメントなどによる栄養療法も盛んです。毎日、ぼくのところに前立腺癌や乾癬の代替療法の質問が送られてきます。 しかし、もうどんなビタミン・ミネラル・ハーブを組みあわせても、限界に来ています。欧米にはない、新しいものを懸命になって探している。そこで、必然的に東洋に目が向きます。 ところが、中国のものは一切信用できません。しかし、日本製ならほぼ無条件で信用できる。ロシア人ともなると、すべての日本製に対する熱心な崇拝者です。 日本製の鎮痛剤のロキソニンさえ、大量に買って帰る。
そして、ついに和食が世界無形文化遺産に選ばれました。また、空前の日本酒ブームです。円安もともなって、世界中から、黄金の国ジパングにやってくる。しかも、来年には東京オリンピックが開催される。非常に数多くの外国人が日本の素晴らしさを認識しだし、自国にその情報をもって帰る。
世界は、単に日本の卓越したテクノロジーを見るだけでなく、それを生み出す伝統と美意識と緻密なバランス感覚にようやく気づきだしたのです。 ぼくは80数か国を実際に旅行した経験から、日本は世界で最も素晴らしい国であると、彼らが感じるのは良く理解できるのです。 つまり、これから世界は日本をモデルとして、徐々に日本化されていくのです。
以上の二つのトレンドを念頭にして、ぼくは今、インターネットを駆使して日本発の「バーチャル・クリニック」を充実させ、やがて世界は「脱・病院化社会」になるように、365日、休みなしで働いています。