リカバリー・ビオ・ウォーターに使うビルベリー葉エキスの作用で最も重要なのは、真皮に存在する線維芽細胞においてGABAの産生を促すことです。
GABA(γ-アミノ酪酸:Gamma-Amino Butyric Acid )は脳中枢神経系において、神経の興奮を抑制する制御性神経伝達物質としてよく知られています。発芽玄米やギャバロン茶などにも多く含まれており、精神安定化作用、脳神経機能の調節、不眠改善の効果などがうたわれています。従来、体内ではGABAは神経組織のみに存在するとされていましたが、真皮の線維芽細胞においても非常に重要な役割を果たしていることがわかってきたのです。そこで、ヒアルロン酸やグルタチオンの産生をGABAが促していたのです。
制御性神経伝達物質が皮膚でも生産されて、それが、多大な影響があると生理学的にはっきりと示されたわけで、精神的ストレスが、アトピーや乾癬を筆頭にして、いかに皮膚の病状を悪化させるかが理解できます。多くの皮膚病患者さんを観察して、よくわかるのですが、何が悪いかといえば、精神的ストレスです。これが、最も悪影響を与えます。まず、精神的ストレス、次に食事内容、その次に環境、生活習慣(夜更かし・喫煙・長時間の通勤・汗をかいたままにする、など)です。
しかし、この精神的ストレスをコントロールするのは、現実の生活においては実に難しいものです。複雑な対人関係、同僚との心理的なもつれ、家族とのきずなのねじれ、夫婦関係の不和などになってくると、解決不可能なことも、多々、あります。
しかし、GABAが皮膚から、それらの問題をあるていど緩和してくれるということは、実に素晴らしいことなのです。精神的ストレスに対抗して、GABAは皮膚において細胞増殖や抗酸化物質の産生、バリア機能の回復促進を行ってくれるからです。
そのGABAはグルタミン酸からグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)によって生産されます。GADには、GAD65とGAD67の2種類あり、後者は真皮の線維芽細胞に存在し、加齢によりGADは減少し、皮膚の老化にもつながります。