特にB型、C型肝炎は治療しないでおくと、肝硬変に移行し、さらに肝臓癌に至ることがあります。肝臓に過剰の鉄が蓄積すると肝硬変から肝臓癌への過程が促進されますが、瀉血により過剰の鉄分が除去されるからです。
その事実はようやく現代医学でも認められてきたのですが、韓医学で行う瀉血の部位と、現代医学で行う部位は違います。
韓医学では背中の両方の肩甲骨付近の皮膚から瀉血します。しかし、現代医学では、普通の静脈注射に使う、肘の内側を走る肘正中皮静脈から瀉血します。当然、前者の方が、効果があるのです。
肝炎の人、あるいは肝炎ウイルスのキャリアーをよく観察すると、肩甲骨の下が、軽くコブのように膨らんでいます。ここに、肝炎からくる「血の汚れ」がたまっているからです。
私はプサンの韓医学病院で、実際に数例を見せてもらい、つくづく東洋の伝統的な医学に感心したものです。こんなことは日本の大学医学部では教わりません。
なぜなら、西洋医学はこういう優れた観察を行っていないのです。ギリシアのヒポクラテスなど、東洋医学の奥深さから行けば、「医学の父」なんて、おこがましくも言えたものではないのです。