世間はコレステロールを悪役に仕立てあげ、コレステロールを下げる薬が、まずはファースト・チョイスとなっています。しかし、抗高脂血症剤である、リピトール、リポバス、ローコール、リバロなど、いわゆるスタチン系の薬には、CoQ10を枯渇させる副作用があります。CoQ10はミトコンドリアでエネルギー発生に重要な働きをするビタミン類似物質で、健全な心機能を維持するには、非常に大切な役目を果たします。
そして、60歳をすぎれば、コレステロールはむしろ高い方が、癌やうつ病にもなりにくく、長生きするのです。こういう事実を意外と、特に開業医は知らない人が多いのです。
LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が非常に高い人や、家族性高コレステロール血症の人には、スタチン系の抗高脂血症薬が必要でしょうけれど、そういう医薬品を使わず、総コレステロールやLDLコレステロール、あるいは中性脂肪を下げる方法はいくらでもありますから、あまり薬に頼りたくないものです。
古代の朝鮮半島では、舌の裏を走る舌深静脈からの瀉血は、狭心症や心筋梗塞をおこした患者に対する、救急措置として行われていたということです。したがって、瀉血は非常に効果的な予防にもなるのです。狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などをおこした人は、あるいは家系的にそういう人が多くおられる人は、是非、一度、舌深静脈から瀉血を行ってください。
また同時に、魚油(特にクリルオイル)やMCP(Modified Citrus Pectin)などを補って、血管のしなやかさを保ってください。医薬品となっているエパデールやロトリガは、魚油などに多くふくまれるDHAやEPAのオメガ-3不飽和脂肪酸そのものです。「高血圧」のページもお読みください。