室町時代、造船技術が発達し、江戸時代前期にはアイヌの人々が採集した昆布を、日本海沿岸を西廻りに、山形県の酒田から佐渡小木・能登福浦・下関などを経て大阪に運ぶことが可能となりました。その海の道を意味します。各々の寄港地で、昆布食文化が開いていき、和食の基礎となる、いわゆる「うまみ」が醸成されたのです。今でこそ、昆布は安い食料ですが、西廻(にしまわり)海運(かいうん)が十分整っていなかった時代では、地方によっては、税金の代わりになるほど貴重なものだったのです。
その伝統的な昆布に、肥満に役立つ素晴らしい物質が見つかったのです。それは、フコキサンチンという一種のカロテノイドです。ルテインやアスタキサンチンなどと似た構造をしており、鮮やかな橙色をしています。海藻の中でもコンブ、ワカメ、アラメ、ホンダワラといった褐藻類や、それをエサとするホヤやカキにも含まれています。
フコキサンチンそれ自体は100年以上も前に発見されたのですが、化学構造が決定されたのは、今から約50年前、1969年で、それがましてや肥満に効果があるとわかったのは2000年に入ってからです。
生の褐藻100gあたり、6mg~20mgほどしか存在しておらず、サプリメントとして役立つ量を確保するのが、以前はけっこう難しかったのですが、最近の技術開発で、ようやく十分な量がとれるようになりました。