注意
1) 日本の病院やクリニックですすめられるホルモン補充療法に使われるプレマリンにせよ、プロゲステロン・クリームから代謝されてできるエストロゲンにせよ、余分なエストロゲンはサイロキシン結合グロブリン(TBG)を増加させます。TBGは、血流中を自由にめぐっていた甲状腺ホルモンを吸収し、結合してしまうタンパク質ですから、たとえ甲状腺機能が正常であっても、甲状腺ホルモンの働き自体は減少してしまいます。
そこで、体重増加、皮膚の乾燥、疲労感、便秘、うつなどがおきてくるのです。 したがって、もしあなたがホルモン補充療法を受けているにもかかわらず、肥満や慢性的な疲労が続くのであれば、ごくわずかでいいですから、甲状腺ホルモンを補うことが必要です。
しかし、これは医者の指導のもとで行わなければ危険です。
2) 食物の中にあるビタミンB12はタンパク質と結びついています。それが、胃酸やペプシンによって遊離され、胃壁の細胞から分泌される内因子(IF)と結合し、IF-B12複合体として、回腸で吸収されます。ところが、甲状腺ホルモンが正常に分泌されないと、その吸収がうまくいきません。したがって、ビタミンB12不足の状態になりやすいのです。
糖尿病 のビタミンB12のところもお読みください。
3) 就寝の理想は午後10時までですが、どんなに遅くとも11時までには床に就いください。その分、朝は早くおきてもかまいません。(朝は、寝たいだけ、寝てられてけっこうです)。どんな病気も夜ふかしすると、非常に治りがよくないのです。それは、成長ホルモンの分泌の関係からです。特に午前0時~午前2時あたり、寝ている間に、成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは若い人の背丈をのばすだけでなく、他にもさまざま重要な働きをします。その一つに、甲状腺に関しては、抹消の組織でT4(テトラヨードサイロニン)からT3(トリヨードサイロニン)への変換を促進します。つまり、甲状腺ホルモンを働かすには、早寝が必要なのです。
4) 甲状腺マッサージ:下図は、フランスはルイ14世の時代、70才にもかかわらず30才の若さと美貌を保っていたといわれるド・ランクル夫人が行っていた、甲状腺マッサージです。これが彼女の若さの秘密だったようです。もっとも、日に何度、1回につき何分間、このマッサージを行っていたかデータはありません。しかし、まったくお金がかからず、テレビを見ながらでもできる簡単な方法ですから、ほどほどに、試されても悪くはないでしょう。