このオイルは中近東で、健康増進のために非常によく飲まれているオイルです。原料となるクミンはエジプトなどを原産とするセリ科の一年草で、和名はウマゼリ(馬芹)です。その種子から抽出したオイルで、「死以外は、何にでも効く」とまで重宝がれており、古代エジプト第18王朝ツタンカーメンの時代(紀元前14世紀)にさえ、使われていた痕跡があります。
「医学典範」なる医書を書いた、今からおよそ1000年前のイスラムの名医アヴィセンナ(イブン・スィーナー)は「このオイルは人体のエネルギーを刺激し、疲労を回復させ、体を浄化し、解毒させる。呼吸器、皮膚、発熱、傷、寄生虫、頭痛、などさまざまな病気の治癒を促進させる」と、述べています。いわば、アラビアン・ナイトの万能薬です。