そして、食塩感受性高血圧のタイプの人は、心・血管系にかかる負担が大きく、非感受性高血圧タイプと比べると、心臓病や脳血管障害を発症するリスクが2倍以上になると指摘されています。
また食塩非感受性タイプの人でも、塩分を過多に摂り続けると、副腎皮質でアルドステロンが活性化し、基本的にはアシタバのところで詳述したRAASの賦活状態になり、高血圧になります。
さらに、たとえ高血圧にならなくても、食塩の摂りすぎは腎臓病、胃がん、骨粗鬆症などのリスクとなります。 したがって、日本国民すべて健康で長生きしたければ、少しファッショな感じですが、「減塩大国日本」をやはり目指すべきなのでしょう。辛(から)いものが好きな人にとっては、ちょっと辛(つら)い国になりそうですが。
ちなみに、イギリスは国策として積極的に減塩プログラム政策を2003年から開始し、2011年には食物中の食塩量は15%低下し、その期間に心疾患による死亡率は40%、脳卒中による死亡率は42%低下したとのことです。前ページに書きましたが、日本のマールボロ1箱は520円、イギリスは1402円。この違いなのです。